UXSandwich

熊澤宏起 1984年生まれ 株式会社ARCHECO UX/UIデザイン シニアコンサルタント

押し付けがましいUI/UX

個人的な主観(ユーザになりきって)でユーザを理解するのはナンセンスだと思う。それは理解したつもりで知ったかぶりなUX。この主観的な考え方でプロジェクトを進めていくと、1つの壁にぶち当たる可能性が高い。それは「評価」。本当にチームメンバーの感性で物事を判断して正しいのか否か。仮説検証のフィードバックループを繰り返してこそ、より提供価値の高いサービスを生み出すことができると信じているけど、そもそも評価をいつまでも自分たちの視点で行っていては足踏みをしてしまう。それどころか、答えを見出だせずに迷宮入りになってしまう。HCDプロセスにおける根源的アプローチであれば、仮説ベースにプロセスを回していくことになるけど、ある程度形になってきた段階の評価では必ずユーザの評価を取り入れるべき。そこから初めて新たなサイクルを生み出せることができる。

プロセスにおいてガチガチの先入観や固定概念はまず取っ払った方がいい。客観性を意識し、物事を俯瞰的に考えられるようになって初めてユーザに一步近づいてくるもの。

最近は分析ツールも充実していて色々なツールがあるけど、前回も書いたように表面的な問題は抽出できても、潜在化した価値は抽出し辛いですね。

ユーザのメンタルモデルを可視化することでより理解が深まっていきます。

UI設計もモデルケースが似ているアプリを参考にしながら設計していくパターンもあるかと思います。良いアプリを参考にすることはとても大事。UI設計ではユーザビリティ視点に脳みそを切り替えて行かなければなりません。そこもまたUI設計の難しいところ。少なくともOSのガイドラインを意識しながら設計していく必要がありますね。

前にグローバルメニューを下部に配置したいという要望を耳にしました。何でですか?と質問すると、他のアプリもやっていて一般的だからという回答が返って来ました。

一般的に受け入れられる機能は確かにあります。ユーザも操作に慣れているので、ユーザビリティのハードルも下がるはずです。

危険だなーと思ったのは、そもそも下部にグローバルメニューを置く必要があるのかどうかまで考えていたのかということ。わざわざ一般的なアプリにしたいからという理由で配置するのは少し怖いですね。UI設計は体験の流れを作る重要な役割があります。タッチポイントとしてアプリを起動するとグローバルメニューは目的に早くたどり着くことができるショートカットのようなもの。また主要な機能が配置されていて、体験を作る上で重要な役割を持っています。どういった目的があって、達成するまでの体験の流れを作りたいかによっても配置は変わってくるので、必ず下部に来ていることがユーザにとって嬉しいとは限らないですね。目的が明確でないまま入り口が沢山あるとユーザは迷ってしまいます。確かに慣れ親しんでいる機能なので、ユーザも気付くはずですし、ある程度何処に何があるかは目星がつくはずだけど、そんな考えだとUIを設計したとは言えませんね。

漠然と他でやっているからウチも〜という発想はやめた方がいい。機能にはちゃんと意味があります。ユーザが目的を達成するための大切な機能です。UIを設計する時も、ちゃんとユーザがどういうプロセスでアプリを利用したいのかを明確にする必要があると思う。

また長くなってしまいました。もっと短く端的に書ければいいのですが。。。

いつも雑なブログですみません。笑

ではまた。